ごった日記

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名探偵の証明/市川哲也

変換 ~ 505

年老い、半引退状態のかつての名探偵と、現在の名探偵でタレントとしても活躍する蜜柑花子の
2人の探偵の姿を描く、第23回鮎川哲也賞受賞作の文庫化。

その新鮮な切り口は面白かったけど、これが鮎川哲也賞受賞作と言われると、う~んな感じ
冒頭で、過去の事件を鮮やかに解決する屋敷啓次郎を、
本編はその30年後、還暦も過ぎ推理力も錆びつき気力も衰えた屋敷の老いと苦衷が描かれる。
探偵としての生き様や、名探偵が名探偵として在り続けられるのかと言う命題は読ませるものがあった
引退を賭けた謎解きで、新世代の探偵相手である蜜柑相手に焦燥感が募りながらも、
事件解決こそが肝心という誠実さ、それこそが名探偵と言う描写がいい。
とは言え、基本屋敷は周囲に恵まれてるから、全体的に少々綺麗すぎな感はあったけどね。
美人で理解力のある嫁がいる時点で勝ち組じゃ
漫画チックな蜜柑のキャラといい、こういう「老いからの衰えと焦燥」を描くには、作者の若さを感じる(年齢知らんけど)。
もっとドロドロというか黒っぽい部分があっても良かった。

一方、鮎川哲也賞としては~と言ったように、ミステリーとしては弱いなあ。
推理小説が好きなくせに推理力ゼロな私でも見当がついたり、
見当はつかずとも真相に拍子抜けしたりと、いくつかある謎解きのどれもパッとしない。
元相棒の竜人の動機は、『あ、そっちだったのか』とちょっと感心。
てっきり、屋敷のために手を汚したのかと思った…。

と言うわけで、人間ドラマとしてはともかくミステリーとしてはあまり期待しないほうがいいかな。
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