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ごった日記

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あなたの隣にいる孤独/樋口有介

変換 ~ 105

樋口有介の最新作は、母の言う「あの人」から15年間逃げ続け、
戸籍もなく学校へも行かずに育った少女・玲奈(れな)が、
ある日母から「あの人」に見つかったとの連絡を受けたことから
母と離れ寄る辺なく街をさまよっていた所を、風変わりな自称小説家志望の青年・周東牧生と
その祖父で刑務所帰りの秋吉秋吉(あきよししゅうきち)の助けを借りながら真相に迫っていく。

「真相に迫っていく」って書いたけど、別に推理小説ってわけでもないのよねコレ
かと言って、作者お得意の青春系とも言い難いし。
その特異な事情から希薄な人間関係を送ってきた玲奈が、
初めて母以外の人間を頼りにして生活していく、と言う部分が大きい


玲奈・牧生・秋吉の人間関係と生活感は悪くはない。
のんびりした口調ですっとぼけた感じの牧生とがらっぱちでいて頭が切れる秋吉、
そして幼いながらもしっかり者で2人に対してはツッコミ役の玲奈。
この3人の軽妙なやりとりは作者の得意分野なので、読んでて楽しい
が、それがどうしたと言ってしまうとそれまで
ストーリーそのものがどうにもこちらの琴線に触れるものがなく、
その上玲奈が異常な境遇の割りにまっとうな性格と感性を持った女の子なので、
そのアンバランスさが感情移入を阻害するのよね。

そんなわけで、ハードカバーで購入したのは失敗したと感じる今日この頃。

「ラノベなんかバカでも書けるもの。
作者も読者もさ、自分で自分の人生を穢していることに自覚がないわけ。
俺はそういう風潮に一石を投じたいんだ」
ラノベなんかバカでも書ける、かどうかは知らないけど、
読者がそれでいいと思っているのなら、いいではないか。
周東がひとつや二つ石を投げたところで、どうせ誰にも当たらない。


この牧生のセリフに笑い、玲奈のツッコミに全力で同意。
純文だろうがラノベだろうがそこに本来貴賎はないはずで、
「読者がそれでいいと思っているのなら、いいではないか」はまったくもってその通り。
だから私のようなおっさんがラノベ買おうが少女漫画買おうが幼女向けアニメ観ようがいいのだ

「玲奈くん、それは、ダメだよ」
「なにが」
「この状況に一人で対処するのは、無理だよ」
「仕方ないことは仕方ないの」
「それでは可愛げがないよ」
「可愛くしても問題は解決しないもの」
「うん、そういう可愛げのないところが、可愛く見える。不思議な子だよなあ」
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